大野雄二 / 大追跡 (1978年)

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大野雄二率いるユー&エクスプロージョン・バンドによる極上のサウンドトラック・アルバム『大追跡』

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Album : 大野雄二 / 大追跡 (1978)

Today’s Tune : “大追跡”のテーマ

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1978年は“ニッポン大野雄二年”と定めたい程スゴいことになっている

 

 前回ご紹介したサウンドトラック・アルバムは、大野雄二の『野性の証明』(1978年)だったけれど、今回もまた大野さんの『大追跡』(1978年) を採り上げる。なんだかんだ云っても、大野サウンドが好きなのよ──。そう云ったら身もフタもないのだけれど、強引に進めさせていただく。お気づきかもしれないが、前回の『野性の証明』にしても今回の『大追跡』にしてもサントラ盤は、1978年にリリースされている。個人的には1978年を“ニッポン大野雄二年”と定めたい。これは冗談だけれど、それくらい1978年の大野さんの仕事ぶりは、スゴいことになっているのだ。ぼくはちょうど中学生になったばかりだったけれど、小学生のころから密かにファンだった大野さんについて、ようやく友だちに自信をもって語ることができるようになった。それが嬉しかったもの。

 

 1978年にリリースされた大野さんのレコードといえば、まず年のはじめに発売された『ルパン三世 オリジナル・サウンドトラック』がすぐに思い出される。モンキー・パンチの書き下ろしイラストがあしらわれたゲートフォールド仕様のジャケットには、得も云われぬ高級感が演出されたものとして感じられる。しかもテレビアニメのサントラ盤にもかかわらず、販売元の日本コロムビアはイギリスのサトリル・レコードのレーベルを使用。日本のプログレッシヴ・ロック・バンドのパイオニアとも云われる、あのゴダイゴの作品でもこのレーベルが使われていた。これは一時期、サトリルと日本テレビ音楽(NTVM)が提携していたからとのこと。いずれにしてもその外観には、子ども向けの番組をイメージさせるところは微塵もなかった。

 

 中身のほうだって、スタイリッシュなフュージョン・サウンドが満載。アルバムの随所に、ルパン役の山田康雄をはじめとするレギュラー声優によるセリフがインサートされるとはいえ、もしそれがなかったらパーフェクトな音楽作品として十二分にイケていたであろう。いまでは国民的名曲となっている「ルパン三世のテーマ」をはじめて聴いたとき、当時すでにジャズやフュージョンに親しんでいたマセガキのぼくは、ホレス・パーランの「コンガレグレ」を連想した。かたや「マグナム・ダンス」を聴いたときなどは、この曲はおそらくボブ・ジェームスの「ナイト・クローラー」の二次創作だろうとさえ思った。でもそれをぼくは、少しも不実なこととは受けとめず、単純にそのサウンドのカッコよさにシビレるばかりだった。

地下鉄の車内に佇む二人の刑事

 ところでこの『ルパン三世 オリジナル・サウンドトラック』のあと、大野さんのカッコいい音楽はレコードとして矢継ぎ早に世に送り出された。サウンドトラック・アルバムだと『大追跡』『24時間テレビ 愛は地球を救う』『野性の証明』とリリースされていき、クリスマスまえには早くも『ルパン三世・2』が発売された。その間隙を縫って、大野さんにとってはじめての本格的フュージョン・スタイルのリーダー作『スペース・キッド』が制作され、大野さんとは長年コンビを組んだブラジル、サンパウロ出身のシンガー、ソニア・ローザの4thアルバム『サンバ・アモール』のレコーディングが行われた。ローザのアルバムで大野さんはプロデュース、作編曲、キーボードを担当。内容的には『スペース・キッド』の姉妹編とも受けとめられる。

 

 サウンドトラック・アルバムこそリリースされなかったものの、テレビや映画を賑わせた大野さんの音楽はまだまだある。1978年はほんとうに、大野雄二一色の年だった。ご当人は寝食を忘れるほど仕事に没頭していたのだろう、どれもクオリティの高い作品ばかりだ。テレビドラマだと、日本テレビ系列では「土曜グランド劇場」の1本『貝がらの街』(2月18日〜4月22日)、「金曜劇場」の1本、西村寿行原作『犬笛 – 娘よ、生命の笛を吹け -』(7月7日〜8月25日)、またNHK「銀河テレビ小説」の1本、森村誠一原作『凶水系』(3月13日〜3月24日)、そしてTBS系列で放送された3時間ドラマ、松浦行真原作の『風が燃えた』(8月29日)などがある。

 

 上記のテレビドラマのうち『貝がらの街』と『犬笛 – 娘よ、生命の笛を吹け -』は、主題曲のシングル・レコードが発売された。前者はシティ・ポップの先駆的シンガーソングライター、南佳孝が歌った『潮風通りの噂/朝もやの中を』で、作詞はそれぞれ山川啓介南佳孝が務めている。後者はインストゥルメンタル・ナンバーの『犬笛のテーマ/ウェイヴレット』で、特にエンドクレジットで使用された「犬笛のテーマ」はアープ・オデッセイによる口笛のような音色が強烈な印象を残す名曲。ジャズ・ピアニストの市川秀男が作曲したオープニング・テーマや劇伴もなかなかのものだけれど、大野さんの曲がもつ躍動感のあるリズムと感傷的なメロディック・ラインには到底及ばない。

 

 さらに映画では、松田優作主演、村川透監督による“遊戯”シリーズのうち『最も危険な遊戯』(4月8日)と『殺人遊戯』(12月2日)が公開されている。ともに小林旭主演、鈴木則文監督による『多羅尾伴内』舘ひろし主演、長谷部安春監督による『皮ジャン反抗族』が併映された、東映セントラルフィルム製作のいわゆるプログラムピクチャー。“遊戯”シリーズは3000万円の予算枠で製作された作品ではあったが、思いのほか高評価を得た。当然のごとく公開当時にはサウンドトラック・アルバムなどは発売されなかったけれど、即興演奏が活かされたりオケの代わりにソリーナ・ストリング・アンサンブルが上手く使われたりしたハードボイルドなサウンドは、各方面から称賛された。そして音源は結局、1993年にCD化された。

 

大野作品のユー&エクスプロージョン・バンドとはどんなバンド?

 

 加えてエドモンド・ハミルトンのSF小説をNHKがテレビアニメ化した『キャプテン・フューチャー』も、サウンドトラック・アルバムの発売は翌年の8月まで待たなければならないが、番組の放映は1978年の11月にスタートしていた。確かに1979年以降も大野さんのコンポーザー、アレンジャー、キーボーディスト、そしてプロデューサーとしての活躍はとどまることを知らない。だだこれまで挙げた作品からもおわかりいただけると思うけれど、大野サウンドが洗練された華麗な様式美を極めるに至ったのは、やはり1978年だったとぼくは思う。大野さんはジャズ・ピアニストでありながら、アメリカン・ポップ、フィリー・ソウル、ブラジリアン・ミュージックなどから影響を受け、ついに自己の音楽をおなじみのフュージョン・スタイルに昇華させたのである。

 

 思えば大野さんの音楽作品に、演奏クレジットとしてユー&エクスプロージョン・バンド名義が使われるようになったのも、1978年からだった。さきに挙げたレコードのうち『ルパン三世 オリジナル・サウンドトラック』『大追跡』『24時間テレビ 愛は地球を救う』『ルパン三世・2』には、このバンド名がクレジットされている。そういえば大野さんがプロデュースした松田優作のアルバム『Uターン』においても、バック・ミュージシャンがユー&エクスプロージョン・バンドと記されていた。これもまた1978年の作品である。実はこの松田さんのアルバムの原盤権は、前述のMTVMが所有する。そう、MTVMの飯田則子がエグゼクティヴ・プロデューサーを務めたアルバムにのみ、このバンド名が使用されていたのである。

 

 飯田さんは日本テレビ系列のオーディション番組『スター誕生!』(1971年〜1983年)関連の歌手のレコードをはじめ、日本テレビ系列の人気ドラマ『太陽にほえろ!』(1972年〜1986年)『探偵物語』(1979年〜1980年)『火曜サスペンス劇場』(1981年〜2005年)などの主題歌、劇伴、そしてサウンドトラック・アルバムのプロデュースを手がけたひと。おもしろいのは、やはり日本テレビ系列のアニメ『宝島』(1978年〜1979年)の音楽プロデューサーを飯田さんが務めたとき、演奏クレジットとしてケン・アンド・フラッター・オーケストラという名義が使われていたということ。音楽を担当したのは大野さんとも共演歴のある、ハネケンの愛称で親しまれたピアニストの羽田健太郎だった。

横浜赤レンガ倉庫前でカーチェイスをする2台の車

 その点を踏まえると、ユー&エクスプロージョン・バンドというバンド名を考案したのは飯田さんのように思えてくる。いずれにしてもその後も、2枚組の日本テレビ音楽創立10周年記念アルバム『NTVM AFTER 10 YEARS』(1979年)や、日本テレビが放映していたアメリカのテレビドラマ『白バイ野郎ジョン&パンチ』(1981年)のイメージ・アルバムなどにも、このバンド名がクレジットされている。ちなみに前者は関係者だけに配布された非売品だけれど、中古レコード店でよく見かける。ゴダイゴカーメン・キャヴァレロサリナ・ジョーンズスプリンターらが参加した、まさしく夢の競演盤。もちろんプロデューサーとして、飯田さんの名前もクレジットされている。

 

 気になるのはユー&エクスプロージョン・バンドの顔ぶれだが、実際のところ大野さん以外は固定メンバーがひとりもいない。そうはいっても1983年にユー&エクスプロージョン・バンドは1枚かぎりだが、オリジナル・アルバム『フル・コース』をリリースしている。このときのメンバーは、大野雄二(key)、萩谷清(g)、長岡道夫(b)、市原康(ds)、鳴島英治(perc)だった。実質的には大野さんのリーダー作なのだけれど、珍しくホーンズもストリングスも入らないリズム・セクションのみの演奏となっている。バンドっぽい音にしたかったのか、結果的にそういう音になったからバンド名義にしたのかは定かでない。エグゼクティヴ・プロデューサーとして飯田さんの名前が記載されているが、彼女はこの年に日本テレビ音楽を退社した。

 

 ついでに云うと、このレコードがちょっと厄介だったりする。大野さんの楽曲はよく既成曲との類似を指摘されることがあるのだけれど、このアルバムに収録されているいくつかの曲にはその点が顕著に現れている。まあ時代の趨勢からレパートリーにシャカタク風の曲があるのは致しかたないが、ブラジルのフュージョン・グループ、アジムスや、やはりブラジル出身のキーボーディスト、エウミール・デオダートらの楽曲に、あまりにもソックリな曲があるのにはいささか拍子抜けした。それがちょっと云い訳できない感じで、アジムスが好きなぼくの妻などは「パクリだ!」と憤慨していた。ところがスタジオワークの精鋭部隊の演奏だけに、そのスタビリティとプレザントネスが横溢するサウンドは極上。まったくもって、複雑な心境とはこのことである。

 

 それでも当時の日本のフュージョン作品のなかで、この『フル・コース』は極めて異彩を放っていた。強烈なロック・ビートが高速で刻まれるなか烈火のごときアドリブ・プレイが繰り出されるような音楽がもてはやされているとき、ユー&エクスプロージョン・バンドが演奏していた楽曲は、すこぶるメロウに響いたもの。平たく云うと、オトナの音楽ということになる。ぼくとしては、剽窃であるか否かは置いておいて、大野さんの心地いい音楽を創出するセンスのよさを評価したいと思う。とにもかくにもユー&エクスプロージョン・バンドは、高度な演奏スキルをもったスタジオ・ミュージシャンたちが集合した音楽隊。メンバーはみな大野さんの寵愛を受けたファーストコール・ミュージシャン、延いては日本のトッププレイヤーなのだ。

 

 ハナシを1978年に戻すが、実は当時大野さんがレコーディングの際に好んで声をかけていたミュージシャンといえば、コルゲン・バンドのメンバーだった。このバンドは、大野さんにとって慶應義塾大学ライト・ミュージック・ソサイェティー時代の先輩にあたるジャズ・ピアニスト、鈴木宏昌のグループ。ぼくの知るかぎりアルバムは『スキップ・ステップ・コルゲン』(1977年)『トリトン』(1979年)『ア・ロンリー・フォーリング・スター』(1981年)といった3枚しかないが、バンドはザ・プレイヤーズと改名されさらなる飛躍を遂げ、フュージョン・ファンの間で人気を博す。なお実際『ア・ロンリー・フォーリング・スター』は1977年11月に吹き込まれたものだから、コルゲン・バンド名義の使用は1979年に終止符が打たれたことになる。

 

大野サウンドにおいてもっとも理想的なフォーメーション

 

 それはそれとしてコルゲン・バンドのメンバーは、鈴木宏昌(key)、松木恒秀(g)、岡沢章(b)、市原康(ds)、穴井忠臣(perc)、山口真文(ss, ts,)といった顔ぶれ。なお1979年からはドラムスが渡嘉敷祐一に替わっている。いずれにせよ彼らは、ポピュラー・ミュージックを演奏させたら、演奏技術から、即興力と応用力、音感やリズム感に至るまでどこをとってもトップクラス。だから大野さんは彼らを積極的に起用したのだが、みなファーストコール・ミュージシャンだからスケジュールの都合がつかないときもままある。そんなときは、たとえば直居隆雄(g)、高水健司(b)、ラリー寿永(perc)などの敏腕ミュージシャンにお呼びがかかるわけだ。そういう経緯から、ユー&エクスプロージョン・バンドのメンバーは不定なのである。

 

 すっかり長くなってしまったが、ここからは『大追跡』についてお伝えしよう。サウンドトラック・アルバムは、番組の放映開始から少しあとの1978年5月に、いまはなきディスコメイトレコード(販売元は現在のビクターエンタテインメント)からリリースされた。ディスコメイトはヤマハのポプコン出身のシンガーソングライター、八神純子の数々の名曲を世に送り出したレーベルだ。この『大追跡』のレコード・ジャケットの前面には、(大野さんの名前は記載されておらず)堂々とユー&エクスプロージョン・バンドの名前が刻まれている。ただしメンバーのクレジットは、インサートも含めてどこにも記されていない。ただジャケットのバック・カヴァーには、バンドの演奏風景を捉えたワンショットがあしらわれている。

 

 そのモノクロームの写真から推しはかるとレコーディング・メンバーは、大野雄二(key)、松木恒秀(g)、岡沢章(ds)、市原康(ds)、ラリー寿永(perc)、ジェイク H. コンセプション(as)ということになる。このメンバーは、ちょうどさきに挙げた『スペース・キッド』『24時間テレビ 愛は地球を救う』の吹き込みとおなじ顔ぶれ。大野サウンドにおいては、もっとも理想的なフォーメーションと云える。曲によってはヴィブラフォンがリードをとるが、マレットを揮っているのは金山功だろう。大野さんの作品でヴァイブといえば、このひとだ。この鉄壁なリズム隊に、ホーンズとストリングスが加わる。レコーディング・エンジニアは、おなじみの伊豫部富治が担当している。

横浜中華街で追いかけっこをする2匹の猫

 このテレビドラマは1978年4月4日から9月26日まで日本テレビ系列で放映されたが、当時の番組といえばモノラル音声での放送が当たりまえ。よって劇伴も大抵モノラルでレコーディングされていた。大野さんの場合は、2トラック・モノラルという方式をとることが多かったようだ。具体的に云うと、マスターテープの左右のチャンネルに、それぞれバッキング演奏とメロディ楽器とを、あるいはリズム・セクションとホーン・セクションやストリング・セクションとを振り分けて録音するというやりかただ。これは選曲家が映像に音づけをする際、楽曲を編集するのに都合がいい。ただレコードのほうは当然、通常のステレオ録音。レコード化が想定された楽曲は、劇伴とは別個にレコーディングされたものである。

 

 これはアメリカの作曲家、ヘンリー・マンシーニのマナーと似ている。大野さんのサウンドトラック・アルバムがいつも鑑賞用音楽として成立しているのは、そういう作法に則っているからだ。ドラマでは横浜を舞台に、警視庁が検挙率アップを目論み設置した特殊セクション、遊撃捜査班の活躍が描かれている。メンバーは組織からつまはじきにされた5人の刑事。ポリス・アクションでありながら、随所にアドリブ・パフォーマンスやコメディリリーフが鏤められた、それまでの刑事ドラマとは一線を画す痛快作品だ。そしてそういうコンテンツに、全体的に洗練されていて、ときに躍動感に溢れ、ときに軽妙洒脱な筆致を見せる大野サウンドは、あつらえ向きと云える。しかもそれは映像から離れても楽しめる、極上の音楽作品となっている。

 

 レコードに針を落とすと、いきなりクルマの通過音のSEが──(CDではなぜかカットされている)。これは、デイヴ・グルーシンもサウンドトラック・アルバム『ボビー・デアフィールド』(1977年)でやっていた、リスナーのテンションを高める演出。短めのタム回しから管のアタックと弦のトレモロによる緊張感のあるイントロへと進行する、おなじみの「“大追跡”のテーマ」は、ブラスによるテーマとストリングスによるコーラスとのコントラストが映える名曲だ。スピーディーにフォー・オン・ザ・フロアからサンバへと移行するリズムが気持ちいい。元ネタは大野さんが敬愛するラムゼイ・ルイスの「スリック」という曲だが、見事に大野サウンドと化している。しなやかなベース・ラインや短尺だがテナーのソロもいい。

 

 つづく「大通りを駆け抜けて」もやはりドラムスが歯切れのいいリズムを刻むなか、ブラスのアンサンブルが緊迫感のあるテーマを奏でる。フィリー・ソウル風のストリングスと、低音域が活かされたアブストラクトなピアノ・ソロもクール。アルトが歌うピースフルな2分の2拍子「夜景」では、ディレイの効いたフェンダー・ローズやアープ・オデッセイの音色が美しい。軽快なジャズ・ワルツ「刑事たちの散歩道」では、フルートとヴァイブのユニゾンが爽やかなを響きとキャッチーなフレージングを繰り出す。ストリングスのピチカートが軽妙、エリック・ゲイル風のギター・ソロも奥深い。ファンキーでスピリチュアルな「イリュージョン」は、リズム・セクションの即興性が高いコズミック・フュージョン。ある意味で、もっとも聴き応えがある。

 

 B面トップの「非常線25時」はテナーがひたすらブロウしまくるジャジーでバウンシーなフュージョン・ナンバー。イントロにはボブ・ジェームスの「ゴールデン・アップル」からの強い影響が感じられる。スモーキーなアルトがアンニュイな旋律を紡ぐ「黄昏は男の香り」は、メイナード・ファーガソンのレパートリー「征服者」を彷彿させる。やはり松木さんのゲイル風のギターが渋い。トミー・スナイダーのヴォーカルがフィーチュアされた「アイル・ビー・ゴーン」は、ジェームス・テイラーの楽曲を思わせるカントリー&フォーク調の爽やかなナンバー。作詞は奈良橋陽子が担当した。スペイシーなジャズ・ファンク「黒い狙撃者」では、ハスキーなテナーがソロをほしいままにする。ラストは、スナイダー、奈良橋のコンビによる「シャドウズ・オブ・ア・マン」で、ボサノヴァとフォークが交錯するララバイ。大野節ならではの哀感が、クロージングを一段と味わい深いものにしている。

 

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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