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	<title>Hiromasa Suzuki (鈴木宏昌) | 気ままに音楽生活</title>
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	<description>いささか気ままに──ではありますが　素敵な音楽をご紹介してまいりますので　どうぞよろしくお願いいたします</description>
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	<title>Hiromasa Suzuki (鈴木宏昌) | 気ままに音楽生活</title>
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		<title>The Players Featuring Hiromasa &#8220;Colgen&#8221; Suzuki / Galaxy (1979年)</title>
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		<pubDate>Sun, 28 Jun 2026 07:00:40 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[Fusion]]></category>
		<category><![CDATA[Hiromasa Suzuki (鈴木宏昌)]]></category>
		<category><![CDATA[The Players]]></category>
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					<description><![CDATA[鬼才キーボーディスト、鈴木宏昌のもとに凄腕ミュージシャンが集まった伝説のフュージョン・グループ、ザ・プレイヤーズの記念すべきデビュー・アルバム『ギャラクシー』]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<h2><span id="toc1">鬼才キーボーディスト、鈴木宏昌のもとに凄腕ミュージシャンが集まった伝説のフュージョン・グループ、ザ・プレイヤーズの記念すべきデビュー・アルバム『ギャラクシー』</span></h2>

<div class="wp-block-cocoon-blocks-label-box-1 label-box block-box has-border-color has-ex-a-border-color">
<div class="label-box-label block-box-label box-label"><span class="label-box-label-text block-box-label-text box-label-text">recommendation</span></div>
<div class="label-box-content block-box-content box-content">
<p class="wp-block-paragraph"><img decoding="async" class="wp-image-703 alignleft" style="margin-bottom: 0px;" src="https://kimama-music.com/wp-content/uploads/2023/02/records-500x456.png" alt="" width="101" height="92" srcset="https://kimama-music.com/wp-content/uploads/2023/02/records-500x456.png 500w, https://kimama-music.com/wp-content/uploads/2023/02/records-300x274.png 300w, https://kimama-music.com/wp-content/uploads/2023/02/records.png 640w" sizes="(max-width: 101px) 100vw, 101px" /><em>The Players Featuring Hiromasa &#8220;Colgen&#8221; Suzuki / Galaxy (1979)</em></p>
<p style="text-align: right;"><em>Today&#8217;s Tune : Kaleidoscope</em></p>
</div>
</div>

  <div id="toc" class="toc tnt-disc toc-center tnt-disc border-element"><input type="checkbox" class="toc-checkbox" id="toc-checkbox-2" checked><label class="toc-title" for="toc-checkbox-2">目次</label>
    <div class="toc-content">
    <ol class="toc-list open"><li><a href="#toc1" tabindex="0">鬼才キーボーディスト、鈴木宏昌のもとに凄腕ミュージシャンが集まった伝説のフュージョン・グループ、ザ・プレイヤーズの記念すべきデビュー・アルバム『ギャラクシー』</a><ol><li><a href="#toc2" tabindex="0">ジャズ・ピアノやアレンジのマナーはレコードを聴いて独習したもの</a></li><li><a href="#toc3" tabindex="0">プロデビューしたころからジャズ・ファンクの流れに身を投じていた</a></li><li><a href="#toc4" tabindex="0">コルゲン・バンドはバンド名をザ・プレイヤーズに変更</a></li></ol></li></ol>
    </div>
  </div>

<h3><span id="toc2">ジャズ・ピアノやアレンジのマナーはレコードを聴いて独習したもの</span></h3>
<p>&nbsp;</p>
<p>　前回、ぼくが敬愛する数少ない日本のジャズ・ピアニストに関してお伝えした際、少しだけ<strong>鈴木宏昌</strong>について触れた。ぼくが長年愛聴しつづけているピアノ・トリオ作品といえばごく限られるのだが、<strong>佐藤允彦</strong>の『<em>パラディウム</em>』(1969年)、<strong>大野雄二</strong>の『<em>ミスター・ハピゴン</em>』(1973年)、<strong>菅野光亮</strong>の『<em>ウェン・ザ・ワールド・ウォズ・ヤング</em>』(1978年)、そして<strong>鈴木宏昌</strong>の『<em>コルゲン・ワールド</em>』(1976年)が挙げられる。これらのアルバムをぼくは、小学校高学年から中学に入学したばかりのころに入手したのだが、実は意識的に国産のジャズ作品を聴こうとしたわけではない。それ以前に体験したテレビドラマやテレビアニメの音楽のなかで、気になる劇伴を手がけた音楽家の作品を深掘りした結果、たどり着いたのが上記のアルバムだったのである。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>　そしてその作曲家たちが、期せずしてみなジャズ・ピアニストだったのである。すなわちぼくは、ジャズをジャズと知るまえから、その響きに惹かれていたことになる。<strong>鈴木宏昌</strong>という名前は、氏がTBS系列のテレビアニメ『海のトリトン』(1972年４月１日 – ９月30日)の音楽を手がけたことで、なんとなくだが、ぼくの記憶に残っていた。<strong>ヒデ夕樹</strong>と<strong>杉並児童合唱団</strong>が歌うオープニング・テーマ「海のトリトン」もキャッチーだったけれど、どちらかというと本編で流れる洗練されたアンダースコアに、ぼくは年端もいかないのに強く惹かれていた。ただ佐藤さん、大野さん、それに菅野さんの場合もそうだったのだが、あとで<strong>鈴木宏昌</strong>という音楽家がジャズ・ピアニストであると知って、意外な発見と深い納得とが入り混じった心境に至ったものである。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>　東京市日本橋区(現在の東京都中央区)生まれの<strong>鈴木宏昌</strong>(1940年５月26日 &#8211; 2001年５月21日)は、作曲家、編曲家として数多くの作品を手がけているが、もともとはジャズ・ピアニストである。“コルゲン”というニックネームで親しまれているので、以降コルゲンさんと呼ばせていただく。ぼくがコルゲンさんがジャズ・ピアニストであると知ったのは、日本コロムビアからリリースされた『<em>エレクトロ・キーボード・オーケストラ</em>』(1975年)というアルバムにおいて。このアルバムでは、８人の鍵盤奏者が20台のシンセサイザーをプレイするという、現代ではあり得ないプロジェクトが実現されている。この８人のなかに、佐藤さん、大野さん、そしてコルゲンさんがいた。しかも、作曲やアレンジ、それにシンセサイザーの操作にもっとも意匠を凝らしていたのは、この３人だった。</p>
<p><img fetchpriority="high" decoding="async" class="aligncenter wp-image-9352 size-full" src="https://kimama-music.com/wp-content/uploads/2026/06/colgen1.png" alt="犬のジャズ・ピアノ・トリオ(イラスト)" width="500" height="300" srcset="https://kimama-music.com/wp-content/uploads/2026/06/colgen1.png 500w, https://kimama-music.com/wp-content/uploads/2026/06/colgen1-300x180.png 300w" sizes="(max-width: 500px) 100vw, 500px" /></p>
<p>　コルゲンさんは、このアルバムで<strong>クインシー・ジョーンズ</strong>の「鬼警部アイアンサイドのテーマ」をカヴァーするいっぽうで、オリジナル・ナンバー「ヒーテッド・ポイント」を提供している。これらの曲では、ジャズにファンク、ソウル、あるいはリズム・アンド・ブルースなどのエッセンスが加えられた、いわゆるジャズ・ファンクの流れを汲むサウンドが展開されている。なお「ヒーテッド・ポイント」は、本作とおなじ年にリリースされた<strong>石川晶とカウント・バッファローズ</strong>の『<em>ゲット・アップ！</em>』(1975年)でも採り上げられている。日本のジャズ・ロックやレア・グルーヴの先駆者である<strong>石川晶</strong>のリーダー作だが、ソングライティングをコルゲンさんが一手に担っており、サウンド的には<strong>鈴木宏昌</strong>のアルバムといった印象を与える。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>　なお、あとになったが、“コルゲン”というニックネームはもともと<strong>佐藤允彦</strong>につけられたものだった。<strong>石川晶とカウント・バッファローズ</strong>の前身である、<strong>カウント・バッファローとジャズ・ロック・バンド</strong>の『<em>ソウル・アンド・ロック</em>』(1969年)や『<em>神に愛と祈りを</em>』(1969年)といったアルバムに、鈴木、佐藤の両ピアニストが仲よく参加している。バンド・リーダーの石川さんと佐藤さんとは1960年代の中ごろから知り合いだったが、石川さんが佐藤さんのことを顔立ちや雰囲気がカエルに似ていることから、かぜ薬「コルゲンコーワ」のカエルをモティーフにしたキャラクター(ケロちゃんとコロちゃん)にちなんで、“コルゲン”と呼んでいた。ところが、佐藤さんがバークリー音楽院(現バークリー音楽大学)に留学してしまったため、おなじピアニストの鈴木さんが、２代目“コルゲン”を襲名することとなった。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>　歯科医の息子として生まれたコルゲンさんは、子どものころに短期間クラシック・ピアノのレッスンを受けたが、その後正統な音楽教育を仰いだことはないという。それでも慶應義塾大学経済学部に進学すると、<strong>マイルス・デイヴィス</strong>や<strong>ビル・エヴァンス</strong>の演奏に触れてジャズに関心をもち、名門ビッグ・バンド、<strong>慶應義塾大学ライト・ミュージック・ソサイェティー</strong>に参加する。そのジャズ・ピアノやアレンジのマナーは、ほとんどがジャズのレコードを聴いて独習したものだった。それでも埒が明かないので、コルゲンさんは<strong>ジョージ川口のビッグ・フォア・プラス・ワン</strong>のメンバーとして活躍していたピアニスト、<strong>八木正生</strong>にジャズ・ピアノの手ほどきを受ける。八木さんは、前述の『<em>エレクトロ・キーボード・オーケストラ</em>』において、リーダー格としてメンバーを牽引していた。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>　また、コルゲンさんは慶應義塾大学在学中は、<strong>佐藤允彦</strong>、<strong>大野雄二</strong>とともに“慶應三羽烏”として名を馳せたことはあまりにも有名だが、３人はプロ・ミュージシャンとして活躍するようになってからも、緊密な関係を築いていた。特にコルゲンさんと佐藤さんとは絆を深める機会が多く、たとえばコルゲンさんの唯一のソロ・ピアノ・アルバム『<em>ウィズ・マイ・ホール・ハート</em>』(1996年)では、佐藤さんがプロデュースを手がけている。キッカケは1994年１月15日、医師の<strong>藤井修照</strong>が設立した岐阜県多治見市のプライヴェート・コンサートホール、スタジオ Fにおいて、コルゲンさんと佐藤さんとがピアノ・デュオを行ったこと。ピアノ２台だけのライヴ演奏において、佐藤さんはコルゲンさんの正統的なピアノ・プレイにあらためて感銘を受けたのだという。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>　一般的に当時のコルゲンさんというと、どちらかというとフュージョン・タイプの音楽を志向するミュージシャンという印象を与えていた。しかもリーダー作といえば『<em>ザ・プレイヤーズ・ライヴ</em>』(1985年)以来、10年以上もご無沙汰となっていた。ぼくもこのアルバムがリリースされるとはじめて聞いたこときは、いささか驚きを禁じ得なかったのだが、フタを開けてみるとコルゲンさんのギミックとは無縁な、それでいてエモーションとダイナミクスが溢れんばかりのピアノ・プレイに、激しくこころを揺さぶられた。コルゲンさんは当初、独学で習得した自己のピアノ・テクニックでは、バランスのとれたオーケストラルなソロ演奏をすることができないと、だいぶ二の足を踏んだらしい。結果的には、佐藤さんの判断が正しかったのだが──。</p>
<p>&nbsp;</p>
<h3><span id="toc3">プロデビューしたころからジャズ・ファンクの流れに身を投じていた</span></h3>
<p>&nbsp;</p>
<p>　なお1994年１月15日にスタジオFにおいて行われたデュオ・ライヴの模様は、のちにコンサートホールのオーナーである藤井さんのプロデュースで、<strong>佐藤允彦・鈴木宏昌</strong>『<em>フォルテ &#8211; ピアノ・デュオ・ライヴ・アット・スタジオ F</em>』(2007年)としてリリースされた。コルゲンさんがこの世を去ってから、およそ６年後のことだった。佐藤＆鈴木の息はピッタリで、その絶妙なコンビネーションが生み出すエキサイティングな演奏、特に<strong>ディジー・ガレスピー</strong>の「チュニジアの夜」でのアグレッシヴでスリリングな展開に、ぼくも手に汗を握りながら聴き入ってしまった。コルゲンさんは晩年、がんを患い壮絶な闘病生活を送りながら、死の直前まで音楽活動をつづけていた。1990年から入退院を繰り返しながら、ピアノを弾きつづけたのである。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>　そんななかコルゲンさんは、一時的に体調が安定していたこともあり、2000年７月16日にスタジオ Fにおいてライヴ・レコーディングを行った。メンバーは、<strong>鈴木宏昌</strong>(p)、<strong>桜井郁雄</strong>(b)、<strong>関根英雄</strong>(ds)、<strong>原朋直</strong>(tp)で、コルゲンさんが敬愛する<strong>ジョー・ザヴィヌル</strong>や<strong>ハービー・ハンコック</strong>の楽曲から有名なジャズ・スタンダーズまで、ニュー・メインストリーム風な演奏が繰り広げられる。ライヴの模様は、やはり藤井さんのプロデュースによりアルバム『<em>ラスト・ライヴ・アット・スタジオ F</em>』(2010年)としてリリースされた。闘病生活を送っていたとは思えないほど、コルゲンさんのピアノ演奏は美しく軽快。病気の進行よりもピアノを弾けなくなることを懸念していたコルゲンさん、まさにジャズをプレイすることに最後まで命を燃やし尽くしたと云える。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>　そんなコルゲンさんは、慶應義塾大学在学中からピアニストとして参加していた<strong>ジョージ川口</strong>のバンド・メンバーとして、プロ・ミュージシャンのキャリアをスタートさせている。<strong>小俣尚也とドライビングメン</strong>、<strong>小原重徳とブルー・コーツ</strong>、<strong>石川晶のカウント・バッファローとジャズ・ロック・バンド</strong>を経て、<strong>日野皓正クインテット</strong>に参加。日野さんのアルバム『<em>ハイノロジー</em>』(1969年)において、すでにアレンジャーとしての才能を発揮している。最初期のレコーディングは、<strong>ジョージ川口とビッグ・フォア・プラス・ワン</strong>での演奏で、<strong>白木秀雄クインテット</strong>、<strong>稲垣次郎クインテット</strong>の演奏も含むオムニバス・アルバム『<em>世界ポピュラー音楽大全集 VOL. 4</em>』(1963年)で聴くことができる。なおメンバーは、<strong>ジョージ川口</strong>(ds)、<strong>鈴木順</strong>(b)、<strong>鈴木宏昌</strong>(p)、<strong>村岡建</strong>(ts)、<strong>林鉄雄</strong>(tp)となっている。</p>
<p><img decoding="async" class="aligncenter wp-image-9353 size-full" src="https://kimama-music.com/wp-content/uploads/2026/06/colgen2.png" alt="犬のピアニスト、サクソフォニスト、ギタリスト(イラスト)" width="500" height="300" srcset="https://kimama-music.com/wp-content/uploads/2026/06/colgen2.png 500w, https://kimama-music.com/wp-content/uploads/2026/06/colgen2-300x180.png 300w" sizes="(max-width: 500px) 100vw, 500px" /></p>
<p>　このアルバムはすこぶるレアなアイテムだが、<strong>ジョージ川口とビッグ・フォア・プラス・ワン</strong>による「死刑台のエレベーター」「ウォーキン」といった２曲は、幸いなことに同バンドのアルバム『<em>ビッグ・フォア・プラス・ワン登場！</em>』(1958年)が2006年にCD化された際、ボーナス・トラックとして収録された。興味のあるかたは、聴いてみてはいかがだろう。ただコルゲンさんがいかに優れたジャズ・ピアニストであるかを知るには、個人的にはピアノ・トリオ作品をお薦めしたい。とはいっても、そのキャリアにおいて早い時期からジャズ・ファンク寄りのサウンドを志向していたコルゲンさんだけに、ストレート・アヘッドなジャズ・アルバム、ことにピアノ・トリオで吹き込んだアルバムはきわめて少ない。実際ぼくの手もとには、たったの３枚しかない。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>　コルゲンさんは、非常に人気の高いファンキーなフュージョン・アルバム『<em>ハイ・フライング</em>』(1976年)を発表した直後に、<strong>稲葉国光</strong>(b)、<strong>日野元彦</strong>(ds)をサイドに据えた『<em>コルゲン・ワールド</em>』(1976年)、さらにその２年後に<strong>井野信義</strong>(b)、<strong>スティーヴ・ジャクソン</strong>(ds)と組んだ『<em>プリムローズ</em>』(1978年)といった、ピアノ・トリオ作品をリリースしている。どちらも、初期の<strong>チック・コリア</strong>を彷彿させる躍動感のあるピアノ・プレイと、オリジナリティに富んだ洒落たソングライティングが際立っている。この２枚を聴いて感じられるのは、コルゲンさんが繰り出す力強く淀みないラインから、氏が正統な音楽教育を受けず独学でピアノ・テクニックを身につけたプレイヤーとは、とても想像できないということである。それほどその演奏は、圧倒的な鮮やかさを放っているのだ。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>　以上の２枚は、全曲コルゲンさんのオリジナル・ナンバーでまとめられているということもあり、<strong>鈴木宏昌</strong>という音楽家の、ジャズ・ピアニスト、作曲家、編曲家としての魅力が凝縮された作品と云ってもいいのではなかろうか。そしてもう１枚、前述のソロ・ピアノ・アルバム『<em>ウィズ・マイ・ホール・ハート</em>』の上々の出来映えに気をよくしたのか、コルゲンさんは久々にピアノ・トリオ・アルバムを吹き込んでいる。<strong>坂井紅介</strong>(b)、<strong>村上寛</strong>(ds)をサイドメンに迎えた『<em>コルゲン・カラー</em>』(1997年)というアルバムで、インディペンデント・プロダクションだったがけっこう話題になった。オリジナル・ナンバーはないが、選曲にコルゲンさんのこだわりが感じられる。なによりも、そのピアノ・プレイに一段と磨きがかかっているところが素晴らしい。文句なしの名盤だ。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>　そんなコルゲンさんの全盛期といえば、1970年代半ばから1980年代の中盤までのおよそ10年間であると、ぼくは観ている。むろん1950年代の後半から亡くなられる前年の2000年まで、氏は一貫して圧倒的なテクニックと表現力豊かなパフォーマンスを披露してきた。そんななかでも、もっともコルゲンさんの個性的なスタイルが堅持されていたのは、上記の期間であるように思われる。サウンド的には、クロスオーヴァーないしフュージョンを志向していた時代だ。そもそもコルゲンさんは、前述のようにプロデビューしたころからすでに、ジャズ・ファンクの流れを汲むサウンドに身を投じていた。たとえば<strong>前田憲男</strong>が編曲と指揮を手がけた<strong>オール・スターズ・オーケストラ</strong>の『<em>ジャズ・ロック・リラックス</em>』(1968年)というアルバムで、コルゲンさんはバリバリのジャズ・ロックをプレイしている。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>　このセッションには<strong>石川晶</strong>も参加しているが、コルゲンさんともども、そのグルーヴ感のあるプレイには気宇壮大なものがある。石川さんとコルゲンとさんはこのアプローチを、<strong>カウント・バッファローとジャズ・ロック・バンド</strong>や<strong>カウント・バッファローズ</strong>といったバンドで徐々にアップデートさせていくのだが、1970年に結成したジャズ・コンボ、<strong>フリーダム・ユニティ</strong>において急成長させる。<strong>石川晶</strong>(ds)、<strong>稲葉国光</strong>(b)、<strong>鈴木宏昌</strong>(key)、<strong>村岡建</strong>(ss, ts)、<strong>鈴木弘</strong>(tb)といった５人編成のこのグループは、<strong>マイルス・デイヴィス</strong>を象徴とするエレクトリック・ジャズを展開しながらも、ジャズ・ロックとフリー・ジャズとの間隙を縫うような音楽性を、日本人アーティストならではの感覚で提示している。その創意と緊張感が横溢するパフォーマンスは、いま聴いてもイノヴェイティヴに響く。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>　<strong>フリーダム・ユニティ</strong>は、<strong>鈴木弘</strong>の渡米を機に５か月の活動をもって自然消滅したが、<strong>石川晶</strong>のリーダー作『<em>パワー・ロック・ウィズ・ドラムス &#8211; キリマンジャロのへの道</em>』(1971年)、伝説のソウル・シンガー、<strong>サミー</strong>こと<strong>茅野雅美</strong>のアルバム『<em>朝日のあたる家</em>』(1971年)、<strong>大野雄二</strong>の作品でお馴染みの女性３人組コーラス・グループ、<strong>シンガーズ・スリー</strong>のアルバム『<em>フォリオール #2</em>』(1971年)、当時のオーディオ技術の歴史的遺産であり、ディスクリート４チャンネル・ステレオ録音のデモンストレーション盤として、東芝音楽工業(現EMIミュージック・ジャパン)が制作した『<em>ダイナミック・ロック</em>』(1971年)『<em>CD-4</em>』(1971年)といったレコードで、その先駆的なサウンドを確認することができる。</p>
<p>&nbsp;</p>
<h3><span id="toc4">コルゲン・バンドはバンド名をザ・プレイヤーズに変更</span></h3>
<p>&nbsp;</p>
<p>　<strong>フリーダム・ユニティ</strong>ではメンバーの５人が対等な立場にあり、リーダーは選任されていなかったようだが、実際に音を聴くと、バンド・アンサンブルでの音作りにおいては、やはりコルゲンさんがイニシアティヴをとっていたように思われる。この不世出のジャズ・コンボの正式なリーダー・アルバムは『<em>サムシング</em>』(1971年)『<em>ダウン・バイ・ザ・ネイキッド・シティ</em>』(1971年)といった２枚にとどめを刺す。クラブ・シーンでも<strong>サミー</strong>のアルバムとともに高く評価される２枚だが、ぼくにとっても、いまもって自室のオーディオに向かって新鮮な気持ちにさせられるレコードとなっている。なお、<strong>鈴木弘</strong>が一時帰国した際に吹き込んだ『<em>キャット</em>』(1976年)のレコーディング・メンバーは、実は<strong>フリーダム・ユニティ</strong>の５人。こちらも名盤である。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>　<strong>フリーダム・ユニティ</strong>が解散してからも、コルゲンさんは数多くの音楽作品を発表していく。<strong>鈴木宏昌とナウ</strong>という名義でリリースされたイージー・リスニング・アルバム『<em>スクリーンのサウンド・クリエイターたち</em>』(1972年)を筆頭に、様々な企画アルバムを手がけている。ちなみにこのアルバムも、マトリックス方式４チャンネル・ステレオという、立体的な音響効果が狙われた特殊なレコードである。オリジナル・アルバムとしては、<strong>稲垣次郎とビッグ・ソウル・メディア</strong>を従えた『<em>バイ・ザ・レッド・ストリーム</em>』(1973年)と、ソロ名義のリーダー・アルバム『<em>ハイ・フライング</em>』(1976年)が広く知られている。前者はジャズ・ロックやフリー・ジャズのエッセンスが採り入れられた作品だが、後者はクロスオーヴァー時代の到来を強く感じさせるアルバムだ。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>　この『<em>ハイ・フライング</em>』は、コルゲンさんの全盛期の幕開けとなった、重要な作品である。このアルバムで一貫して生み出されているグルーヴ感は、明らかに従来のジャズから脱却したもの。<strong>杉本喜代志</strong>(g)、<strong>岡沢章</strong>(b)、<strong>村上秀一</strong>(ds)などが放つヴァイブスは、まさにフュージョン・サウンドだ。そしてこのアルバムが発表された1976年３月に結成されたのが、日本のフュージョン・バンドの草分け、<strong>コルゲン・バンド</strong>だった。コルゲンさんはこのバンドで『<em>スキップ・ステップ・コルゲン</em>』(1977年)『<em>トリトン</em>』(1979年)『<em>ア・ロンリー・フォーリング・スター</em>』(1981年)といったアルバムを発表。なお『<em>ア・ロンリー・フォーリング・スター</em>』は1977年11月21日に吹き込まれた音源がレコード化されたもので、コルゲン・バンド名義の使用は実のところ1979年に終止符が打たれている。</p>
<p><img loading="lazy" decoding="async" class="aligncenter wp-image-9354 size-full" src="https://kimama-music.com/wp-content/uploads/2026/06/colgen3.png" alt="犬のピアニスト(イラスト)" width="500" height="300" srcset="https://kimama-music.com/wp-content/uploads/2026/06/colgen3.png 500w, https://kimama-music.com/wp-content/uploads/2026/06/colgen3-300x180.png 300w" sizes="(max-width: 500px) 100vw, 500px" /></p>
<p>　この<strong>コルゲン・バンド</strong>のメンバーは、<strong>鈴木宏昌</strong>(key)、<strong>松木恒秀</strong>(g)、<strong>岡沢章</strong>(b)、<strong>市原康</strong>(ds)、<strong>穴井忠臣</strong>(perc)、<strong>山口真文</strong>(ss, ts)といった顔ぶれ。なお1977年の終わりごろからはドラムスが<strong>渡嘉敷祐一</strong>に替わっている。いずれにせよ彼らは、ポピュラー・ミュージックを演奏させたら、演奏技術から、即興力と応用力、音感やリズム感に至るまでどこをとってもトップクラス。それ故、彼らは日本のミュージック・シーンで引く手あまたの人気。バンド活動を継続しながらも、いわゆるファーストコール・ミュージシャンとして、様々なアーティストのレコーディングに参加している。彼らを積極的に起用したのだが、実は<strong>大野雄二</strong>だった。それはともかく<strong>コルゲン・バンド</strong>は、バンド名を<strong>ザ・プレイヤーズ</strong>に変更し、さらなる飛躍を遂げる。フュージョン系のバンドでは日本最高峰と、ぼくは信じてやまない。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>　<strong>ザ・プレイヤーズ</strong>は、伝説的な音楽プロデューサー、<strong>伊藤八十八</strong>が、1978年にCBS・ソニーレコード(現ソニー・ミュージックエンタテインメント)内に設立したレーベル、オープンスカイからレコード・デビュー。１年に１枚と安定したペースで『<em>ギャラクシー</em>』(1979年)『<em>ワンダフル・ガイ</em>』(1980年)『<em>マダガスカル・レディ</em>』(1981年)『<em>スペース・トラベル</em>』(1982年)『<em>ジャック・ア・ダンディ</em>』(1983年)『<em>アップ・トゥ・ユー</em>』(1984年)『<em>ザ・プレイヤーズ・ライヴ</em>』(1985年)といった７枚のアルバムを発表。ただし<strong>穴井忠臣</strong>が１枚目をもって脱退。４枚目でサクソフォニストが<strong>山口真文</strong>から<strong>ボブ斉藤</strong>に交替。６枚目からバスクラリネットとサックスで<strong>中村誠一</strong>が加わる。どのアルバムも高品質だが、今回は衝撃のデビュー作『<em>ギャラクシー</em>』について、具体的に触れてみたい。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>　このアルバムのレコーディングでは、６人のバンド・メンバーのほかに、<strong>新田一郎</strong>(tp)、<strong>兼崎順一</strong>(tp)、<strong>岡田澄雄</strong>(tb)、<strong>平内保夫</strong>(tb)、<strong>三田治美</strong>(tb)らによるホーン・セクション、<strong>前田昌利</strong>(vlc)率いる<strong>トマト・ストリングス</strong>がサウンドに彩りを添えている。曲目はすべてコルゲンさんのオリジナル。なお「ギャラクシー」「ヘヴンリー・メイデン」「ミスティー・ムーンライト」は、当時は未発売だった<strong>コルゲン・バンド</strong>の『<em>ア・ロンリー・フォーリング・スター</em>』の収録曲。アレンジの違い、市原さんと渡嘉敷さんとのドラミングの違いを楽しむことができるので、ぜひ聴きくらべていただきたい。また「カレイドスコープ」の原曲は、コルゲンさんが音楽を手がけた映画『サーキットの狼』(1977年)のなかの１曲「小さな箱の中で」である。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>　アルバムはアップビートな「ギャラクシー」からスタートする。コルゲンさんが敬愛する<strong>ウェザー・リポート</strong>からの影響を感じさせるスペーシーなシンセサイザー、ファンキーなベースライン、そしてタイトなドラミングが躍動感溢れるフュージョン・サウンドを演出。トライバル・ビートに乗ったソプラノ、そのあとのグルーヴィーな展開に乗ったシンセといったソロが痛快だ。つづくバラード「イン・ユア・マインド」では、ファンタスティカルなローズ・ピアノをバックに、テナーがメロディアスでピースフルなソロを繰り広げる。ベースのオブリガートも絶品だ。インタールード的な「アンスウィーテンド」は短尺ながら、このバンドの卓越したユニゾン、そしてインタープレイを堪能することができる。彼らの演奏技術がいかに優れているかが、よくわかる。</p>
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<p>　A面ラストの「カレイドスコープ」では、メランコリックなゆったりとしたソプラノによるテーマが、パーカッシヴなホーン・セクションが挿入されたあと、一気にテンポアップする。ここでのハイライトはなんといっても、ロッキッシュなギターの白熱するソロ。サンバ・ビートになってからのローズのソロも軽やかでいい。ドラムス、ベース、そしてパーカッションのバッキングも圧巻だ。B面のトップはシンコペーテッドなフュージョン・ブギー「ヘヴンリー・メイデン」からスタート。シンセのソウルフルなソロも然ることながら、シネマティックなブラス・サウンドとキレのあるギターのカッティングが爽快だ。エキゾティックかつミステリアスな「マジック・ランプ」では、ファンクとラテンとがほどよくミックスされたビート感のなか、ソプラノが悠然と美しいメロディを歌い上げる。ストリングスも効果的だ。</p>
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<p>　アルバム中唯一晴れやかなムードの「サニー・サイドウォーク」では、転調が効果的な爽やかなメロディック・ライン、軽快にバウンスするリズムが心地いい。テナーによるテーマ、そしてアコースティック・ピアノによるソロもさっぱりしていて、コルゲンさんのソングライティングのセンスのよさが窺われる。アルバムのラストを飾る「ミスティー・ムーンライト」では、神秘的で繊細なサウンドがやはり<strong>ウェザー・リポート</strong>のそれを彷彿させる。とはいっても後半がメロウな展開を見せるところは、コルゲンさんらしい。夜の静寂に溶け込むようなソプラノとシンセの柔らかで美しい音色が、深い余韻を残す。本作は、メンバー個々のフィーチュアリングが少なめな構成となっているが、逆にコルゲンさんの音楽性がもっとも発揮された１枚とも云える。そういった意味も含めて『<em>ギャラクシー</em>』は、輝かしき幕開けの作品なのである。</p>
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