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	<title>Chuck Loeb | 気ままに音楽生活</title>
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	<description>いささか気ままに──ではありますが　素敵な音楽をご紹介してまいりますので　どうぞよろしくお願いいたします</description>
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	<title>Chuck Loeb | 気ままに音楽生活</title>
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	<item>
		<title>Metro / Grapevine (2002年)</title>
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		<dc:creator><![CDATA[kimama]]></dc:creator>
		<pubDate>Sun, 14 Sep 2025 07:25:28 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[Fusion]]></category>
		<category><![CDATA[Chuck Loeb]]></category>
		<category><![CDATA[Metro]]></category>
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					<description><![CDATA[ストレート・アヘッドなジャズからメロウなスムース・ジャズまでこなす名ギタリスト、チャック・ローブの音楽性がナチュラルに表れたハードコアなフュージョン・バンド、メトロの『グレイプヴァイン』]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<h2><span id="toc1">ストレート・アヘッドなジャズからメロウなスムース・ジャズまでこなす名ギタリスト、チャック・ローブの音楽性がナチュラルに表れたハードコアなフュージョン・バンド、メトロの『グレイプヴァイン』</span></h2>

<div class="wp-block-cocoon-blocks-label-box-1 label-box block-box has-border-color has-ex-a-border-color">
<div class="label-box-label block-box-label box-label"><span class="label-box-label-text block-box-label-text box-label-text">recommendation</span></div>
<div class="label-box-content block-box-content box-content">
<p><img decoding="async" class="wp-image-703 alignleft" style="margin-bottom: 0px;" src="https://kimama-music.com/wp-content/uploads/2023/02/records-500x456.png" alt="" width="101" height="92" srcset="https://kimama-music.com/wp-content/uploads/2023/02/records-500x456.png 500w, https://kimama-music.com/wp-content/uploads/2023/02/records-300x274.png 300w, https://kimama-music.com/wp-content/uploads/2023/02/records.png 640w" sizes="(max-width: 101px) 100vw, 101px" /><em>Album : Metro / Grapevine (2002)</em></p>
<p style="text-align: right;"><em>Today&#8217;s Tune : Yikes!</em></p>
</div>
</div>

  <div id="toc" class="toc tnt-disc toc-center tnt-disc border-element"><input type="checkbox" class="toc-checkbox" id="toc-checkbox-2" checked><label class="toc-title" for="toc-checkbox-2">目次</label>
    <div class="toc-content">
    <ol class="toc-list open"><li><a href="#toc1" tabindex="0">ストレート・アヘッドなジャズからメロウなスムース・ジャズまでこなす名ギタリスト、チャック・ローブの音楽性がナチュラルに表れたハードコアなフュージョン・バンド、メトロの『グレイプヴァイン』</a><ol><li><a href="#toc2" tabindex="0">トータル・サウンドを見据え泰然自若の構えで臨むギタリスト</a></li><li><a href="#toc3" tabindex="0">音楽院でドロップアウト、その後スタン・ゲッツのバンドで活躍</a></li><li><a href="#toc4" tabindex="0">ローブの音楽性がナチュラルに表れたハードコアなフュージョン</a></li></ol></li></ol>
    </div>
  </div>

<h3><span id="toc2">トータル・サウンドを見据え泰然自若の構えで臨むギタリスト</span></h3>
<p>&nbsp;</p>
<p>　私事で恐縮だが、先日、久々にぼくのほうから親友のNくんにLINEで音信をしたのだけれど、用件はともかくそのときふと思ったことがある。それはギタリストの<strong>チャック・ローブ</strong>がこの世を去ってから、どれくらいの年月が過ぎたのかということだった。というのも、もう四半世紀もまえのことになるのだが、ぼくは、Nくん、後輩で当時シンガーソングライターとして都内のクラブで歌っていたTくん、そして現在のぼくの妻とともに、はじめてローブの生演奏を聴いた。なぜかそのときのことが、にわかに思い出されたのである。ぼくにとって、音楽は切っても切れないもの。たとえとりとめのない日常であっても、自分のそばにはいつも音楽がある。自らの来しかたを振り返れば、自ずとそのときに聴いていた音楽が聴こえてくるというわけだ。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>　ところで、ぼくたち４人がローブの演奏に触れたのは、当時から有名だったジャズ・クラブ、南青山骨董通り界隈にあるブルーノート東京において。1999年の晩秋のことだ。どちらかというとファッションに無頓着なNくんが、茶色系のコーデュロイ・スーツに身を包んで現れたのには、たいそう驚かされた。ぼくはそういうことはよく覚えているので、古くからの知己にはよく感心される。まあそれはさておきローブの生演奏についてだが、彼が出演したブルーノート東京でのライヴは、キーボーディストである<strong>ボブ・ジェームス</strong>の来日公演だった。当時のジェームスはニュー・アルバム『<em>ジョイ・ライド</em>』(1999年)を発表したばかりだったが、これは従来セルフ・プロデュースが当たりまえの彼にとって、はじめて全面的に他人に下駄を預けたアルバムとなった。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>　このアルバムのプロデュースを手がけたのは、ギタリストの<strong>ポール・ブラウン</strong>、キーボーディストの<strong>マイケル・コリーナ</strong>、サクソフォニストの<strong>デイヴ・マクマレイ</strong>、音楽プロデューサーでソングライターでもある<strong>ハーヴィー・メイソン・ジュニア</strong>、マルチ・インストゥルメンタリストの<strong>マーセル・イースト</strong>と、錚々たる顔ぶれだけれど、ローブもまた２曲においてプロデューサーを務めている。もちろんギターも演奏しているし、キーボードやドラムのプログラミングも彼の手によるものだ。そんな事情から、彼はジェームスのバンド・メンバーとして来日したのだった。なおローブ自身もこの年にリーダー作『<em>リッスン</em>』(1999年)をリリースしているのだが、こちらにはジェームスが自作曲を引っさげてゲスト参加している。</p>
<p><img fetchpriority="high" decoding="async" class="aligncenter wp-image-7966 size-full" src="https://kimama-music.com/wp-content/uploads/2025/09/metro1.png" alt="地下鉄駅の地上の出入り口" width="500" height="300" srcset="https://kimama-music.com/wp-content/uploads/2025/09/metro1.png 500w, https://kimama-music.com/wp-content/uploads/2025/09/metro1-300x180.png 300w" sizes="(max-width: 500px) 100vw, 500px" /></p>
<p>　ときにブルーノート東京でのライヴは、シンコペーションの効いたグルーヴィーな「レイズ・ザ・ルーフ」からスタート。<strong>スティーヴン・デュービン</strong>、<strong>ティム・ハインツ</strong>、<strong>ポール・ブラウン</strong>による共作だが、ときはスムース・ジャズの全盛期、このフォーマットにおいてはお馴染みのメンツだ。アルバム『<em>ジョイ・ライド</em>』に収録されていたオリジナルのほうは、いかにも作り込まれた感じのスムース・ジャズだった。それがわるいわけではないけれど、ライヴでの自由闊達で即興性に富んだ演奏のほうが、ヴィヴィッドな音楽としてより魅力的に感じられた。まあジェームスの場合、大概スタジオ・アルバムがよく練り上げられているのに対して、ライヴ・パフォーマンスは思いのほかハードでインプロヴァイゼーショナルなのだけれど──。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>　こういう現象はほかのスムース・ジャズ系のアーティストにおいても、しばしば見受けられる。優れたミュージシャンほど、アルバムではビジネスライクにラジオ・ステーションのフォーマットに則って抑制の効いたプレイをこころがけ、ライヴではクビキから解き放たれ、自身のもつ演奏能力を十二分に発揮するものなのだ。<strong>チャック・ローブ</strong>もまた、卓越したギターのテクニックをもちながら、そんな礼節をわきまえるようなミュージシャンだった。くだんのライヴでは当然のごとく、ジェームスの『<em>ジョイ・ライド</em>』からのナンバーが中心に演奏されたが、ローブの『<em>リッスン</em>』に収録されていた彼のオリジナル「ハイ・ファイヴ」も採り上げられた。ローブのギターがスタジオ・レコーディングのときよりも、縦横無尽に駆けまわったことは云うまでもない。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>　ライヴが終わったあと、ぼくたちは店を変えて飲みなおしたのだけれど、そのときの話題といえば主役のジェームスよりもローブに集中した。それだけみな、彼の鮮烈なギター・プレイに衝撃を受けたのだろう。ぼく自身、すでにローブの演奏はリーダー作をはじめとする様々な音盤で耳馴染んでいたものだったが、正直に云うとその晩目撃した彼の華麗な超絶技巧には結びつかなかった。というのも、ローブはこのころすでにギタリストであるとともに音楽プロデューサーとしても腕を振るっていたので、どちらかというとトータル・サウンドを見据えるひと、たとえ緊迫した空気に包まれるようなレコーディングにも、泰然自若の構えで臨むプレイヤーという印象を与えていたから。やはり優れたミュージシャンの手腕は、ライヴを観てみないとわからないものだ。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>　そんなローブは2010年、コンテンポラリー・ジャズのトップランナーが集結したバンド、<strong>フォープレイ</strong>に参加する。<strong>ボブ・ジェームス</strong>をはじめ、ギタリストの<strong>リー・リトナー</strong>、ベーシスト兼ヴォーカリストの<strong>ネイザン・イースト</strong>、ドラマーの<strong>ハーヴィー・メイソン</strong>の４人によって、1990年に結成された。必ずといっていいほど、ビルボード誌のコンテンポラリー・ジャズ・チャートを賑わす、数々の名作を残した人気グループだ。ギタリストにおいては、リトナー、彼の替わりに1997年から参加した<strong>ラリー・カールトン</strong>と、1970年代の半ばからフュージョン・シーンを席巻してきた２大スター・プレイヤーがそのポストを占めた。カールトンの後任にローブが選ばれるという出来事は、ぼくにとって意外でもあり、同時に当然と思われるものでもあった。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>　ハッキリ云ってローブには、リトナーやカールトンのような大スターの貫禄はない。それでいてギターのテクニックでは、ふたりの先輩にまったく引けをとらない。コンポジションやアレンジメントにおいても同様である。たださきのふたりと異なる点は、ローブが音楽プロデューサーとして、類まれな才能を発揮したということ。彼はハードコアなフュージョンからスムース・ジャズやコマーシャルな音楽までしっかり成功に導く手腕のもち主。コンスタントに自己のリーダー作を制作するかたわら、プロデューサーとして多くのアーティストの作品を手がけた。さきに述べたように、ぼくがローブのことをトータル・サウンドを見据える音楽家と観るのは、実は彼のそんな側面からなのである。</p>
<p>&nbsp;</p>
<h3><span id="toc3">音楽院でドロップアウト、その後スタン・ゲッツのバンドで活躍</span></h3>
<p>&nbsp;</p>
<p>　ローブがプロデュースしたアーティストを思いつくままに挙げると、キーボーディストでは、<strong>ボブ・ジェームス</strong>をはじめ、<strong>ウォーレン・バーンハート</strong>、<strong>ミシェル・カミロ</strong>、<strong>セルジオ・サルバトーレ</strong>など。なぜかサクソフォニストが非常に多くて、<strong>ネルソン・ランジェル</strong>、<strong>クリス・ハンター</strong>、<strong>ウォルター・ビーズリー</strong>、<strong>ガトー・バルビエリ</strong>、<strong>キム・ウォーターズ</strong>、<strong>ジェイ・ベッケンスタイン</strong>、<strong>ジェフ・カシワ</strong>といった具合。ほかにもクラリネット奏者の<strong>エディ・ダニエルズ</strong>、トランペッターの<strong>ティル・ブレナー</strong>、ギタリストの<strong>ポール・ブラウン</strong>、ベーシストでは<strong>チャーリー・モレノ</strong>や<strong>ジェラルド・ヴィーズリー</strong>、ヴォーカリストでは<strong>カルメン・クエスタ</strong>(ローブの奥さま)や<strong>マイケル・フランクス</strong>、バンドでは<strong>スパイロ・ジャイラ</strong>、<strong>アコースティック・アルケミー</strong>、それに<strong>ファットバーガー</strong>などが挙げられる。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>　リトナーにしてもカールトンにしても秀逸な解釈と卓越した演奏能力によって、自己の音楽性に深みを与えるようなギタリスト。しかしながら彼らは、ともするとそのパーソナリティを前面に押し出しがちになる。それに反してローブは、利他的にサウンドをクリエイトすることができるミュージシャンなのだ。いまから思うと、<strong>フォープレイ</strong>が音楽的にもっとも充実していたのは、実は彼がバンドに在籍していた時代だったとさえ感じられる。ぼくとしては、<strong>フォープレイ</strong>のアルバムのなかでは『<em>レッツ・タッチ・ザ・スカイ</em>』(2010年)がいちばん好きなのだけれど、ローブにとってはこのバンドでの最初のレコーディング作品にあたる。このアルバムには、ローブのオリジナル・ナンバーが２曲収録されているが、どちらも傑出した楽曲である。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>　その後ローブは<strong>フォープレイ</strong>のメンバーとして『<em>エスプリ・ドゥ・フォー</em>』(2012年)『<em>シルヴァー</em>』(2015年)といった２枚のアルバムを吹き込む。そのいっぽうでおなじころ、彼はキーボーディストの<strong>ジェフ・ローバー</strong>と共同でプロデュースしたジャズ・スタンダーズ・アルバム『<em>BOP</em>』(2012年)をレコーディングし、ストレート・アヘッドなジャズにアプローチしてみせた。また、ローブとローバーは『<em>BOP</em>』に参加したサクソフォニスト、<strong>エヴァレット・ハープ</strong>を加えたユニット、<strong>ジャズ・ファンク・ソウル</strong>を結成。２枚のアルバム『<em>ジャズ・ファンク・ソウル</em>』(2014年)『<em>モア・シリアス・ビジネス</em>』(2016年)をリリースした。さらにローブは、サクソフォニストの<strong>エリック・マリエンサル</strong>とのコラボレーション・アルバム『ブリッジス』(2015年)も制作している。</p>
<p><img decoding="async" class="aligncenter wp-image-7967 size-full" src="https://kimama-music.com/wp-content/uploads/2025/09/metro2.png" alt="地下鉄駅への階段" width="500" height="300" srcset="https://kimama-music.com/wp-content/uploads/2025/09/metro2.png 500w, https://kimama-music.com/wp-content/uploads/2025/09/metro2-300x180.png 300w" sizes="(max-width: 500px) 100vw, 500px" /></p>
<p>　その間ローブはリーダー作のほうも、ドラマーの<strong>ハーヴィー・メイソン</strong>、オルガニストの<strong>パット・ビアンキ</strong>と組んだトリオによる本格的ジャズ・アルバム『<em>プレイン・アンド・シンプル</em>』(2011年)、４つの異なるバンドを率いて制作した『<em>シルエット</em>』(2013年)、曲ごとにそれまでローブが関わったミュージシャンや自身のファミリーをフィーチュアした、ある意味で集大成的作品とも云える『<em>アンスポークン</em>』(2016年)と、順調に発表していた。そんな彼にぼくが異変を感じたのは、日本のショップに『<em>アンスポークン</em>』の輸入盤が入荷して間もなくのこと。2016年の10月、東京シーサイド・ジャズ・フェスティヴァルにおける<strong>フォープレイ</strong>の公演の際、ローブは急病で出演を辞退。急遽<strong>ラリー・カールトン</strong>が代役を務めた。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>　結局、ローブは2017年７月31日に、悪性腫瘍のため61歳という若さでこの世を去った。<strong>フォープレイ</strong>はしばらく沈黙を守ったあと、2018年１月公式サイトにおいて、2018年は活動休止し2019年に再編するとのスケジュールを公表した。かたや<strong>ジャズ・ファンク・ソウル</strong>のギタリストは、<strong>ポール・ジャクソン・ジュニア</strong>に交替。2019年にアルバム『<em>ライフ・アンド・タイムス</em>』がリリースされた。同作はローブの思い出に捧げられた。それに反して、<strong>フォープレイ</strong>の活動はいまだ再開されていない。ということで長々と語ってしまったが、<strong>チャック・ローブ</strong>という不世出の名ギタリストが天上の楽士となってから、すでに８年という歳月が流れたわけだ。まさに光陰矢のごとしである。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>　そんなわけでぼくは今回、はからずもよみがえったローブの思い出から、彼について自分なりに語ってみたいと思った次第である。<strong>チャック・ローブ</strong>は1955年12月７日、ニューヨーク州ロックランド郡のナイアックに生まれた。ハドソン川の景観が美しい小さな村だが、かつてはニューヨーカーの避暑地として賑わったという。明媚な湖や緑豊かな自然が広がる地で、おおらかに感性が育まれたであろう少年時代のローブ、11歳のときにギターを手にし16歳のときにはすでにジャズを弾いていた。バークリー音楽院に進学した彼は、<strong>ジョー・ピューマ</strong>、<strong>ジム・ホール</strong>といったヴェテラン・ジャズ・ギタリストに師事したほか、彼とは同世代でありながら18歳から講師を務めていた<strong>パット・メセニー</strong>にもレッスンを受けた。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>　しかしながら、その後のローブからは想像できないのだけれど、彼は２年間でドロップアウトしてしまう。同音楽院を退学したローブは、ボストンからニューヨークに戻り1970年代の半ばからフリーのプレイヤーとして働きはじめた。音楽シーンにおいてローブの名前が広く知られるようになるキッカケは、彼が1979年からの２年間、テナー奏者の<strong>スタン・ゲッツ</strong>のバンドに在籍したことだった。当時の吹き込みとしてもっとも早いものは、おそらくコロムビア・レコードからリリースされた『<em>フォレスト・アイズ</em>』(1980年)だろう。ゲッツ名義のアルバムではあるけれど、実はオランダの作曲家<strong>ユレ・ハーンストラ</strong>が、父親の<strong>ベルト・ハーンストラ</strong>が監督した映画『エン・パック・スラー』(1979年)のために書いた楽曲集である。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>　このアルバムの「ドロージー」というストリングス入りのボサノヴァ・チューンで、ローブのギター・プレイを聴くことができる。ただここでのローブは飽くまで伴奏者にとどまっており、ゲッツも相変わらず熟達したプレイを披露してはいるものの、どこかしっくりこない。それよりもお薦めするとしたら、毎年フランスのカンヌで開催される、世界最大規模の国際音楽産業見本市「ミデム」における1980年１月22日のライヴ演奏。このパーム・ビーチ・カジノを会場とした実況録音盤『<em>ホワイト・ヒート &#8211; ジャズ・ガーラ 1980</em>』(1980年)では、<strong>スタン・ゲッツ</strong>(ts)、<strong>アンディ・ラヴァーン</strong>(key)、<strong>チャック・ローブ</strong>(g)、<strong>ブライアン・ブロンバーグ</strong>(b)、<strong>ヴィクター・ジョーンズ</strong>(ds)による白熱するコンテンポラリー・ジャズを堪能することができる。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>　このライヴ・アルバム、ゲッツのリーダー作としてはフュージョン期のものということで、1950年代半ばから1960年代のはじめまでの彼がクール・ジャズやボサノヴァを演奏していたころの作品を愛でる向きには、まともに取りあってもらえないようだ。ところが、そのアパッショナートなプレイを高く評価するコアなファンもいるようで、何度となくリイシューされている。その度にタイトルやジャケットが変更されるのには、ほとほと参ってしまうのだけれど──。ちなみにぼくが所持するのは日本のRVCレーベルから発売されたもので、同時に<strong>ポール・ホーン</strong>のフルートや<strong>ゲイル・モラン</strong>のヴォーカルがフィーチュアされた『<em>スタン・ゲッツ・アンド・フレンズ &#8211; ジャズ・ガーラ 1980 Vol. 2</em>』(1980年)もリリースされた。</p>
<p>&nbsp;</p>
<h3><span id="toc4">ローブの音楽性がナチュラルに表れたハードコアなフュージョン</span></h3>
<p>&nbsp;</p>
<p>　当時フュージョンを好んで聴いていたぼくにとって、これらのアルバムは理屈抜きに楽しめるものだった。いまから思うとゲッツは、このライヴにおいてまだ無名だったローブをプレイヤーとして前面に出すばかりでなく、彼のオリジナル・ナンバーまで採り上げており、まったくもって懐の深い音楽家だった。そしてぼくは、ローブのギター演奏を聴いたのはこれがはじめてだったけれど、彼の名前をその鮮やかなパフォーマンスとともにしっかり脳裏に焼きつけた。それから数年後、ぼくはヴィブラフォニストの<strong>マイク・マイニエリ</strong>を中心とするコンテンポラリー・ジャズ・バンド、<strong>ステップス・アヘッド</strong>の『<em>モダン・タイムス</em>』(1984年)において、ゲスト・プレイヤーとして参加したローブのクレジットを発見した。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>　ローブはこのアルバムでは１曲のみのサポーターにとどまったが、次作の『<em>マグネティック</em>』(1986年)では、解散したばかりの<strong>ウェザー・リポート</strong>のもとベーシスト、<strong>ヴィクター・ベイリー</strong>とともに正式メンバーとなっている。<strong>ステップス・アヘッド</strong>には、それまでフュージョン系アーティストによるストレート・アヘッド・ジャズ志向のバンドといった風情があったが、このアルバムからよりフュージョン色の強いコンテンポラリー・ジャズに回帰している。そういうサウンド面での変化を遂げたこのバンドにおいて、ベイリーともどもローブの存在感はかなり強かった。とはいってもローブは、このバンドからすぐに離脱してしまう。ソロ活動に専念するためだろう。ローブの後釜にはあの<strong>マイク・スターン</strong>が座った。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>　ローブはその後、<strong>パトリック・ウィリアムズ・ニューヨーク・バンド</strong>のアルバム『<em>10th　アヴェニュー</em>』(1987年)の吹き込みに寄り道したあと、満を持して初リーダー・アルバムのレコーディングにとりかかる。なお『<em>10th　アヴェニュー</em>』は、伝説の音楽プロデューサー、<strong>フィル・ラモーン</strong>と映画音楽やテレビの音楽を数多く手がけた作曲家、<strong>パトリック・ウィリアムズ</strong>とがタッグを組んで、ニューヨークのファースト・コール・ミュージシャンを集めて制作したビッグ・バンド・スタイルのコンテンポラリー・ジャズ作品。そのレコーディング・メンバーのオールスター・キャストぶりには驚かされるが、いま思えばそこに名を連ねるほどだから、ローブはこのころからすでにイッパシのセッション・ミュージシャンとして信望を集めていたのだろう。</p>
<p><img loading="lazy" decoding="async" class="aligncenter wp-image-7968 size-full" src="https://kimama-music.com/wp-content/uploads/2025/09/metro3.png" alt="地下鉄駅のホーム" width="500" height="300" srcset="https://kimama-music.com/wp-content/uploads/2025/09/metro3.png 500w, https://kimama-music.com/wp-content/uploads/2025/09/metro3-300x180.png 300w" sizes="(max-width: 500px) 100vw, 500px" /></p>
<p>　それはそうとローブはドイツのレーベル、ジャズ・シティからリリースされた『<em>マイ・シャイニング・アワー</em>』(1989年)で、ソロ・アーティストとしてデビューを果たした。当時<strong>チック・コリア・エレクトリック・バンド</strong>のメンバーだった、ベーシストの<strong>ジョン・パティトゥッチ</strong>とドラマーの<strong>デイヴ・ウェックル</strong>とをリズム・セクションに迎え、ストレート・アヘッド・ジャズからコンテンポラリー・ジャズまでヴァーサタイルなギター・プレイを披露。彼がいかに鋭敏なセンスと卓越したテクニックとを併せもつミュージシャンであるかが、この１枚でわかる。その後ローブはDMP、シャナキー、ヘッズ・アップといったレーベルにおいて、晩年までコンスタントにリーダー作を発表していく。サウンド的には、フュージョンからスムース・ジャズへと変遷する。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>　ローブのリーダー作は、どれもよく練り上げられており甲乙つけがたい。ちなみに、いま自室の棚をチェックしてみたら彼のアルバムは、コラボレーション作品やコンピレーション・アルバムを除くと17枚あった。またローブはソロ活動と並行して、<strong>ザ・ファンタジー・バンド</strong>、<strong>メトロ</strong>といったバンドでも旗手となりプレイした。前者はスムース・ジャズ、後者はハードコアなフュージョンと、各々もち味が出されたバンドである。実はローブの関わった音盤で、ぼくがもっともお薦めしたいのが、<strong>メトロ</strong>のアルバムなのだ。なぜなら、コンポジションやギター・プレイにおいてもっともローブの音楽性がナチュラルに表れるのは、このバンドのレコーディングのときだから。そしてその独特のサウンドは、ときの移ろいにまったく左右されることはなかった。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>　<strong>メトロ</strong>のアルバムは『<em>メトロ</em>』(1994年)『<em>トゥリー・ピープル</em>』(1995年)『<em>メトロカフェ</em>』(2000年)『<em>グレイプヴァイン</em>』(2002年)『<em>ライヴ・アット・ジ・Aトレイン</em>』(2004年)『<em>エクスプレス</em>』(2007年)『<em>ビッグ・バンド・ブーム</em>』(2015年)といった７枚。このバンドでは、ローブ、ニューヨーク出身のキーボーディスト、<strong>ミッチェル・フォアマン</strong>、ドイツのヴンジーデル出身のドラマー、<strong>ウォルフガング・ハフナー</strong>といった３人が、パーマネント・メンバー。ベーシストは、<strong>アンソニー・ジャクソン</strong>、<strong>ヴィクター・ベイリー</strong>、<strong>メル・ブラウン</strong>、<strong>ジェリー・ブルックス</strong>、<strong>ウィル・リー</strong>、<strong>ニコラス・フィズマン</strong>と変動した。また、過去にローブ、フォアマン、ベイリーが参加した『<em>プティート・ブロンド</em>』(1992年)というライヴ・アルバムがあるが、案外<strong>メトロ</strong>の原点かもしれない。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>　<strong>メトロ</strong>のアルバムでぼくがもっとも好きなのは、４作目の『<em>グレイプヴァイン</em>』である。楽曲と演奏とのバランスが、もっともいいように思われる。このときはベーシストを、<strong>メル・ブラウン</strong>が務めた。アルバムはフォアマンの「トランス」からスタート。アフタービートの効いたアーバン・フュージョン。ローズ、ベース、ギターが熱くソロを繋いでいく。ローブの「ザ・サード・ロー」はフューチャリスティックなフォークロック。アコースティック・ギターとエレクトリック・ギターとのコントラストが鮮やかだ。<strong>グラディス・ナイト＆ザ・ピップス</strong>の「アイ・ハード・イット・スルー・ザ・グレイプヴァイン(悲しいうわさ)」は８ビートのニュージャズ風にアレンジされている。スラップ・ベースのソロが花を添える。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>　フォアマンの「キャン・ユー・ヒア・ミー・ナウ」はこころ温まるパストラール。ピアノとギターとが絡み合うサウンドが美しい。ローブの「ヤイクス！」は爽快なフュージョン・ブギー。ソウルフルなリフやコーラス部のハーモナイゼーションが巧妙な名曲だ。ハフナーの「クリーム」はアンビエントな感覚に溢れたスロー・ナンバー。こころを揺さぶるようなインスピレーションを与える。フォアマンの「ミスター・フルーティ」はアップテンポのジャズ・ロック。高速で駆けまわるローズ、ロッキッシュなギターが素晴らしい。ローブの「ウェア・シー・ワズ」はゆったりしたメロディアスな曲。憂いに沈んだ前半からドラマティックな後半への展開が感動的だ。やはりローブの「ラグーン」はエキゾティックなボッサ風。ギターのレイジーなブルース・フィーリングが絶妙だ。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>　フォアマンの「ザ・シャイン」はアルバム中もっともイマジナティヴな曲。クラシックやロックのテイストが採り入れられた、映画音楽のような壮大なナンバーだ。やはりフォアマンの「アズール」はアコースティックなサウンドが際立つリリカル・チューン。ピアノとギターとの対話が心地いい、さながら一服の清涼剤といったところ。ローブの「ワン・オブ・メニー」は軽快なリズムの次世代ジャズ。バンドのインタープレイが冴えるなか、ここでもっとも突出しているのはドラムス。ポリリズムからソロまでその躍動感は絶品だ。フォアマンの「パトリオット」はピアノとギターとのデュオ。短尺な曲ではあるが、アルバムに余情を残す。いつも思うのだけれど、<strong>メトロ</strong>のメンバーはみな、ソロ活動のときよりも表現力の振幅を大きくする。ローブのパフォーマンスもまた然りである。</p>
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<p>最後まで読んでいただき、ありがとうございました。</p>
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